笛吹峠

笛吹き峠は、都幾川と越辺川(おっぺがわ)に挟まれた比企丘陵にあり、嵐山町と鳩山町の境界になっています。

鎌倉街道上道は、笛吹き峠を南北に貫いて伸びています。

 

往時の笛吹き峠は、街道最大の難所であったと言われ、道路が整備された現在でもその面影を残しています。南(鳩山町方向)からは、比較的なだらかですが、北(武蔵嵐山町方向)から登れば、都幾川河岸から峠まで急なつづら折りのうっそうとした山道が続きます。

 

 正平7年(1352年)2月、宗良親王を奉じる新田義宗(新田義貞の3男)と足利尊氏との小手指が原の戦いに決着がついたのは、ここ笛吹き峠の戦いだと言われ、この戦いに大敗した新田義宗は越後に落ち、以降足利尊氏は関東一円を完全に制圧していったと言うことです。

笛吹き峠の名前の由来は、敗戦の月明かりの陣営で、宗良親王が笛を吹かれたことから命名されたとの言い伝えがああります。

 

私が最初に訪れたのは2月下旬の夕方でした。
峠の林の奥深くまで夕日が差し込み、その奥の武士団が静かに潜むあたりより更に奥まった所から、一瞬笛の音が流れてきたように感じましたが、時折通過する車の騒音がかき消して行きました。

笛吹峠で街道は嵐山町から鳩山町に入ります。

ここで鎌倉街道は巡礼街道と呼ばれた東西に伸びる道と直交しています。
東(写真:右)は関東第10番札所の岩殿観音(東松山市)へ、西(写真:右)は同9番の慈光観音(ときがわ町)へと続く道です。 (現在は「ふるさと遊歩道」として整備され、ハイキングコースになっています。)

笛吹峠付近地図

 

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